人気ブログランキング | 話題のタグを見る

東京生活を楽しんでいましたが、ロンドン移住することになりました


by onoz223

森瑶子さんの世界

九州旅行中、今まで読んだことのない、森瑶子さんの短編集とエッセイの2冊を読んでました。
はじめに短編集を読んだのですが、こう思いました。
「なんだ、この世界は。こんな世界、実在するの?だとしたら、私はこの世界から隔離された人間に違いない」

すれ違っただけの女性の香水の名前を言い当てる男たち。話し方が美しく、ブランドを擬人化して話す女たち。(「●●のバッグは気高い」とか・・・)精巧すぎる男女の会話。
きっと、数年前だったら、「合わないなぁ」と読むのをやめてしまっているでしょう。でも、なぜかほっとする感もあり、読み進めた。そのあとで、今度は森さんのエッセイを読んで、納得。
「私は私の小説の登場人物を、現実よりもずっといいところにおく」というようなことを書いていた。あまりに現実的すぎる小説は、森さん自身も読みたくない、のだとか。映画「Big Fish」をちょっと思い出しました。森さんの小説は、空想の世界、と思って読むと、たしかにより楽しめるかも。

ある人が、森さんは、「女といえばギャルか熟女しかいなかった時代に、”大人の女”という新しい像を打ち出した」というようなことを言っていた。また、ほかの人は、「森瑶子は、妻であり、母でありながら、夫や子供といった存在に夢を託さない生き方を示した」というようなことを言っていた。
(記憶をたどっているので、実際は表現がかなり違うかもしれません)そうなのか、と思って読むと、もっと楽しめるかも。まだあまり読んだことがないので、また森さんの本を読んでみたい。
by onoz223 | 2005-07-23 10:56 | diary