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東京生活を楽しんでいましたが、ロンドン移住することになりました


by onoz223

colors of an apple


I don't understand about complimentary colors
 and what they say
Side by side, they both get bright
Together, they both get gray
But he's been pretty much yellow
And I've been kind of blue
But all I can see, is red, red, red, red now


Finona Apple の新作アルバムから。Red Red Red という曲。
昨日曲を聴きながらこの歌詞をバスの中で読んでいて、「くっ」と泣きそうになってしまいました。(感動したときに意味もなくよく泣くのです、、、)

Fiona Apple の曲はとっつきにくいけれど、poetic で辛辣で正直な彼女の lyrics に少しでも共感を感じると、とたんに曲が自分の中に入り込んできます。

ちなみに、上の歌詞の complimentary colors とは、色彩学(っていうのあるのかさえわからない)上、一緒に使うとよいとされる色の組み合わせらしい。例えば、赤と緑の組み合わせや、紫と黄色の組み合わせが complimentary colors。一緒に使えば鮮やかになるけれど、2つを混ぜると白っぽい色になってしまう。日本語では、「補色」と呼ばれているみたい。


Complimentary colors の概念は Fiona の言いたいこととはまったく関連がないのだろうけど、彼女の詩の組み合わせ方が好き。

彼女の前作で、とても気に入った歌詞がある。Paper bag というタイトルの曲。

I thought it was a bird,
but it was just a paper bag

鳥かと思ったら、ただの風に舞う紙袋だった。

そして、あとにこう続く。

I thought he was a man
but he was just a little boy

大人だと思っていたのに、あいつはただの子供だった。

hunger hurts, but starving works
when it costs too much to love

空腹はつらいけれど、代償が大きい恋愛をするくらいならお腹をすかせていたほうがまし

25歳くらいのとき、30代の「大人の男性」と付き合っていた私は、その不毛さに我ながら「別れたほうがいいよー」と思いつつ、寂しさゆえふんぎりがつかなかった。そのとき、この歌に励まされました。笑 
そのあとすぐ夫君と会ったのだったね、そういえば。






Fiona Apple は、NYで生まれ育ち、12歳くらいのときにレイプ被害に遭う、という体験をしたそうです。ある音楽評論雑誌によれば、その苦しい体験は彼女の創作活動に影響を与えている。私が好きなもう1人のシンガーソングライター Tori Amos もたしかそうでした。でも、何よりも彼女の創作活動に影響を与えているのは、この記事の言葉をそのまま使えば "big brain" 。音楽才能だけではなく、ずば抜けた「頭の良さ」を持っているソングライター。
by onoz223 | 2005-11-19 12:14 | music